【書評】個人投資家が実践できる3つのバフェット流投資について。by バフェット流投資に学ぶこと、学んではいけないこと

バフェット流投資に学ぶこと学んではいけないこと_top

仕事をしながら投資をしている人、または投資で生活しているけれど、デイトレードなどの短期トレードではなく、長期的なトレードをメインにしている人は、バフェットの投資手法を知っておくべきでしょう。

長期トレードで彼の右に出るものはいませんし、実際に何度も世界一のお金持ちとして君臨していました。現在は世界長者番付3位です。
世界長者番付 – Wikipedia

ビル・ゲイツも世界一のお金持ちとして有名ですが、彼は投資で財を成したのではありません。ウィンドウズというソフトウェアの事業で成功しました。

しかし、ウォーレン・バフェットはバークシャー・ハサウェイという投資会社で財産のほぼ全てを稼ぎ出しました。その額なんと、約7.2兆円
(※バークシャー・ハサウェイは保険事業を営んでいるものの、その実態は投資会社です。)

なので、とりあえず投資でお金持ちになりたいなら、先ず最初に彼から学ぶべきです。そして、彼の資産、ネットワーク、知識を用いてしか出来ない方法を排除し、個人投資家であっても取り入れられる方法を見つける。一番重要なのは、このふるいがけではないでしょうか。

そういったいみで、『バフェット流投資に学ぶこと、学んではいけないこと―個人投資家にとっていちばん大事なノウハウ』はベストな一冊だと言えます。

いくつか重要だと思われるポイントをまとめておきましたので、ぜひご活用下さい。

バフェット流投資に学ぶこと、学んではいけないこと 内容

バフェット流投資に学ぶこと、学んではいけないこと―個人投資家にとっていちばん大事なノウハウ

バフェット流投資について書かれた本は多いが、その投資手法を100%信じて疑わないものがほとんどである。しかし実際には、個人投資家がまねしてはいけないことが少なくない。本書はバフェットの成功・失敗例を詳しく紹介し、普通の個人投資家がバフェット流投資に何を学び、何を学んではいけないかを具体的に解説する。

引用:バフェット流投資に学ぶこと、学んではいけないこと―個人投資家にとっていちばん大事なノウハウ

バフェット流投資に学ぶこと、学んではいけないこと まとめ

株式(企業)を正確に分析できないのなら、分散投資すべき

色んな株式を購入してリスク分散するだけではなく、債権、不動産、金など、資産の種類自体も分散してリスクヘッジするのが良い。(アセット・アロケーション

また、購入する株式(企業)の種類は相関性がないものにする。つまり、ホンダという車の会社を買っておいて、リスク分散のためにトヨタという車の会社を買っても意味が無いということ。(同業種が影響を被るリスクは共通している場合が多いので、一方の株価が下がった時に、もう一方も下がってしまう可能性がある。これではリスク分散にはならない。)

たとえば、A株が10%あがったとき、B株は5%下がる。B株が10%上がった時に、A株は5%下がる。こういう関係にある株式を同時に買えばリスクヘッジできる。

バフェット自身は分散投資をしていないが、普通の投資家は銘柄選択など忘れて、インデックスファンドを購入すべきと進めている。
(※1998年10月のフロリダ大学で、「おそらく投資をなさる方々の99%以上は、徹底した分散投資を心がけるべきです」と発言している。ただ、企業を本当に評価できる人にとっては分散投資は愚策で、分散するとしても6銘柄ほどで十分だとも発言している。)

ジェレミー・シーゲル氏の分析によると、1871〜1992年のどの30年間であっても、株式投資のリターンは債券投資を上回っている。また、10年間に短縮しても、株式投資のリターンが債券投資を上回る年は全体の80%であった。なので、10年単位の長期投資を考えているのであれば、資産ポートフォリオの中に株式の割合を増やしておくと高いリターンが期待できる

バリュー株を買うのではなく、アンダーバリュー株を買う

バリュー株割安株)は株価収益率(PER)、株価キャッシュフロー倍率(PCFR)、株価純資産倍率(PBR)、株価売上高倍率(PSR)が平均よりも低い株。グロース株は、それらの値が高い株だと一般的に言われている。

バフェットはバリュー株投資家と思われているが、実際グロース株と判断される株式も購入している。つまり、バフェットが重視しているのは本当の企業価値に比べて市場の株価が低い株アンダーバリュー株)。

アンダーバリュー株と判断される株の中には、バリュー株もグロース株もあるので、グロース株だからと言って、すぐ購入リストから外すべきではない

しかし、このアンダーバリュー株を見つけるにはDCF分析という方法をマスターしなければならない。DCF分析には将来のキャッシュフローを予測する必要があり、その予測値は人によって変わるので、DCF分析を使えば誰でも同じ数値が導き出せるというわけでもない。DCF分析を使うにあたっても、それ相応の企業分析スキルが必要

なので、企業分析スキルが高くない個人投資家はETFなどのファンドを買ったほうが無難。もし企業分析スキルに自信があるのであれば、DCF分析を用い、アンダーバリュー株を買うべき。

バリュー株の中にアンダーバリュー株が隠されている可能性は高い

グロース株と判断される株の中よりも、バリュー株と判断される株の中にアンダーバリュー株が含まれている可能性は高い。なので、DCF分析が出来ない個人投資家が投資する場合は、グロース株よりもバリュー株を見つけて投資する方がよい。そうすれば、バフェットの投資手法と大きくずれることは無い。

しかし、バリュー株がグロース株よりも高いリターンを上げるのは、長期保有(5年以上)の場合のみで、短期の場合はグロース株のリターンのほうが高い。その点は注意すること。

また、大型株よりも小型株のほうが高いリターンを示すことが多いので、小型株でバリュー株を見つけて長期保有する。という3つのポイントを守って投資すれば高いリターンが期待できる。

いつまでも保有しない

バフェットが投資をするとき、企業を丸ごと買収するか、市場で大量の株式を購入する。つまり、企業の業績が悪くなれば、いつでも自分が影響を与えられる立場になるということ。

しかし、個人投資家にそんなことはできない。なので、単純に利益を求めて売り介して良い。「企業と結婚する」というような気持ちで株を買うべきではない

株式公開企業への私募投資(PIPE)に投資はできない

個人投資家はほぼ利用できない手法を、バフェットは好んで使っている。株式公開企業への私募投資(PIPE)はその代表例。個人投資家がこの投資に関与したければ、バークシャー・ハサウェイに投資するか、この市場に通じたヘッジファンドに投資する他に方法はない。

長期投資を考えているなら、経営陣も調べる

株式を長期保有することを考えているなら、企業分析はもとより、経営陣の質も調べておくこと。自社株を持っているか?他の企業に移籍する予定はあるか?近々引退するつもりか?高齢過ぎないか?有能な人材の流出はないか?CEOの後任はいるか?などなど。

国内海外問わず投資する

素晴らしい企業は、何も国内にしか無いということではない。また、今後は先進国中心ではなく、新興国や発展途上国が目覚ましく成長してくるのは確実。なので、多少のリスクはあっても国内の株式のみでなく、海外の株式も購入すべき

公共事業だからダメということはない

公共事業、例えばガス、水、電車等々は結局インフラなので、安定したキャッシュフローを生み出す。適切に経営されるのであれば、ポートフォリオに組み入れても問題ない。

保有しておく意味がなくなったら、即売る

長期保有を明言しているバフェットでさえ、持っておく意味が無くなった株は比較的早く処分している。リスク許容度の低い個人投資家であれば、なおさら即処分するべき。

期待した期間で期待したリターンを上げなかった。もしくは、損切りポイントに達した等々、ポートフォリオに組み入れておくメリットがなくなった株は即売ってしまうべき

長期保有目的であれば、株価の上がり下がりに一喜一憂しない

企業が健全であれば、株価はいずれ上昇する可能性は十分にある。買って即上がった、もしくは下がったので売る。ということではなく、数年先をみること。

独占企業が良いというわけではない

ライバルと比べて明らかに優位性がある、もしくは参入障壁や簡単には真似できない技術がある。コネクションがある。パートナーシップとの相乗効果が高いなど、特別な理由がない限り、資本集約的な事業を営んでいる企業に投資すべきではない。上記に上げた点がマイナスとなって企業の収益に影響する。

成長企業の一時的下げが買いどきとは限らない

成長企業だからといって、株価が持ち直すとは限らない。下げ続けるか、そこから反転するかは後になってしかわからない。安易なナンピン買いは割けるべき

おわりに

ウォーレン・バフェットは3つのポイントで投資を成功させています。

  1. 保険業の多額の利益を投資に回す。
  2. 質の高い経営者の企業を買う。もしくは、質の高い経営者を雇う。
  3. アンダーバリュー株を買う。

この3つのうちのどれも個人投資家が真似しようとしても難しいでしょう。多額の利益を得ている事業を持っている人は少ないでしょうし、経営者の本当の事情に内通している人も少ない。また、アンダーバリュー株を見つけるDCF分析ができる人も少ないでしょう。

つまるところ、個人投資家は集中投資で大儲け!というようなことは狙わず、長期的な分散投資である程度のリターンを得る。というのが低リスクで安全な資産運用方法だといえます。

もちろん、結局どの程度のリスクを請け負うかは個人個人によります。いつまでにどれ位のリターンを得たいのかもそれぞれです。なので、ウォーレン・バフェットと同じ手法でトレードするのではなく、自分のスタイルを見つけていくことが大切です。

何の目的で投資しているのかを明確にし、自分に出来る投資手法を取り入れ、トライアンドエラーでリターンを高めていく他ありません。

ただ、小型株のバリュー株を長期保有するという点は、個人投資家であっても今すぐにでも真似できて、高いリターンを期待できる優れた手法だといえます。

これから投資に挑戦したい方は、覚えておいても損はないのではないでしょうか。

ここにピックアップしなかったモメンタム投資や、ストックオプションが企業に与える影響など、『バフェット流投資に学ぶこと、学んではいけないこと―個人投資家にとっていちばん大事なノウハウ』にはいろいろ役立つ知識が満載です。

長期投資家でも短期トレーダーでも、もちろんウォーレン・バフェットのフォロワーも一読の価値ありかと。ぜひ。