「日本はものづくり強いよね?」の無意味さ…

工場

youtubeにアップされている、ビジネス関係の動画をよく見るんですね、私。

その中で「日本の強みはものづくりですよね?まだ勝てますよね?」みたいな発言をよく聞くんですね。これ、ほんと無意味だなと感じます。

なぜ無意味か?それは、すでに答えがわかってるからです。

 

結局はプラットフォーマーが勝つ

プラットフォーム=ソフトウェアと言い換えても別に構いません。何のことを言っているかというと、iPadとitunesのことですね。これが、プラットフォーマーが勝利するという具体的な例として一番わかり易いです。

かつて、小型ポータブルミュージックデバイスでソニーの右に出るものはいませんでしたよね。あれほど高性能で小さな機器を開発できる技術は他の国にはなかった。でもappleに負けた。

なぜか?

そもそもユーザーは高機能、高性能を求めているんじゃなくて、音楽が聞きたい。そのニーズを、わずか3クリックで解決できるシンプルなデバイスがiPad。結果、爆発的に売れた。

爆発的に売れたiPadに対して、ソフトウェアで直接音楽を購入できるようにしたitunes。そこにはCDプレス会社も配送会社も何も必要ない。仲介業者なしのノーストレスデリバリー。究極の利便性の実現。

人々はiPadとitunesの組み合わせから逃れられなくなり、巨大なプラットフォームが完成。

ここにものづくりの技術どうこうなんて特に関係ない。何が本当に必要とされているかを見極める能力と、それを実現出来るだけの技術があればいい。さらに言えば、技術さえ他の会社から借りてきて組み合わせればいい。つまりは、アイデアと設計力。

無数の機能を圧縮して、超小型なハードウェアに納めることが重要ってわけじゃなかった。それはただの技術者の自己満足。

もちろん、ただの素人の私が言ったところで、わかったふうな口をきくな!って言われそうですが、ジョブズが言ってるとなるとどうでしょうか。

【iPodが存在する理由は、日本企業がソフトウェアをつくれなかったから】

スティーブ:以前にもお話しましたが、iPodが存在する理由は、ポータブルミュージックプレイヤーの市場を造って独占していた日本の企業が、ソフトウェアを作れなかったからです。iPodはただのソフトウェアですから。

それをつなげるコンピュータもMacもソフトウェアだし、クラウドストアもソフトです。MacもOS Xが美しい器に入ったものですし、iPhoneもそうなるはずです。Appleは自身をソフトウェア会社と思っています。

引用:ジョブズ氏が語ったiPod誕生の理由「あの日本企業がソフトウェアを作れなかったから」 – ログミー

2001年時点で、もう時代はものづくり(ハードウェア)からソフトウェアの時代にとっくに切り替わってる。windowsが登場した時からそれに気づいて動き出すことはできた。

でも、ものづくりにこだわった。過去の栄光にしがみついた。

「ものづくり国家日本」を成り立たせることが大切なのか、「強い日本」を成り立たせることが大切なのか?

もし、後者の方が重要であるなら、もうこれ以上、ものづくりにこだわらない方がいいんじゃないかなと思いますね、個人的には。

もちろん、ものづくりにこだわってもいいですが・・・、得意と考えているものづくりですら、今や勝てないですからね。

圧倒的なアジア企業の技術力

小型で高性能なハードウェアといえば、スマートフォンですよね。もちろん、ソニーは未だに小型で高性能なデバイスを作ることにかけては、高い技術力を有していると思います。

でも、今や、小型、高性能、高価格では何の意味もないんですよね。めっちゃ高くてめっちゃ美味しい料理屋みたいなもんで・・・。あたりまえ感がある。

小型、高性能、しかも低価格、さらにショートタームサイクルで発売。ここまできて初めて、異常な技術力と生産力を備えているものづくりの強い企業といえるのではないでしょうか?

で、そういう企業はもう登場しちゃってるんですよね、ソニーとは別に・・・。
参考:驚異の性能&予想通りの激安価格、最強スマホ「Xiaomi Mi 5」は何がすごいのか? – GIGAZINE

なので、例え今がソフトウェア時代ではなく、ものづくり時代だったとしても、日本は勝てません。安くて良い製品を頻繁に発売できるアジアの企業に勝てないから。

まとめ

いいですか、最初からいきますよ。

この記事は「日本の強みはものづくりですよね?まだ勝てますよね?」の質問の無意味さについて書いてます。

 

今はものづくりの時代ではなく、ソフトウェア中心の時代です。なので、例え日本がものづくりに強かったとしても勝てません。

100歩ゆずって、今がものづくりの時代だったとしても、アジア企業の技術力、生産力、価格力に日本のものづくり企業は勝てません。

ですので、「ソフトウェアにも、ものづくり(ハードウェア)にも競争優位性がない日本」というのが現実です。

 

だから、「日本の強みはものづくりですよね?まだ勝てますよね?」の質問は無意味だと感じるんですよね。かなり悲観的ですが、おそらく誰かが言わなければ気づかないというか・・・、みんな気づいてるけど見たくない現実なんですよね。だから、こういう質問して誰かに『大丈夫だよ。日本はものづくり強いよ。』っていってもらいたがってる。承認欲求ですね、この質問は。こどもじゃないんだから・・・・。

 

ものづくりも強くない。ソフトウェアも強くない。あーあ、日本には何もないのか・・・。

 

っと感じてしまうような記事だったかもしれませんが・・、はたしてそうでしょうか?

戦後、何もなかった日本からソニーは生まれたんですよね?盛田昭夫さんは、何もなかったところから世界のトップ企業にまで駆け上がったんですよね?ここにものづくりが強いかどうかなんか、関係あったんでしょうか?むしろ、何もないところから這い上がるハングリーさがそれを成したんじゃないでしょうか?

もし、いま日本がかつての日本と同じように何もなくなってしまったんだとしたら、今こそチャンスだと捉えることもできるのではないでしょうか・・・と考えるのは無理があるのかな。

どうせ何しても勝てないと思われてるところから、10年後どこを見渡しても日本企業ばかりってところまで駆け上がるのは無理でしょうか?

誰しも日本製品、日本のソフトウェアを使わざるを得ないほど、強い日本になることは無理でしょうか?

額に汗して長時間肉体労働する「ものづくり」こそ尊い。という、根性論、精神論にこだわり続ける姿勢は、変えられないものなのでしょうか?

気づいた人から、この過去の栄光に縛られた働き方から脱していくべきだと思います。

人に価値を与えてなんぼ。ものづくりはその手段の一つでしかない。ものづくりを極めれば、その先に成功があるってわけじゃない。