
ビリオネア(10億ドル以上の資産を持っている人)と私達の違いとはなにか?
そもそも親がお金持ちだとか?資産家の一族だとか?
もちろん、そういった人も大勢います。でも、そういう人たちを省いて、本当に自力で正当なビジネスで資産10億ドル以上築いている人たちを分析したら、なにか共通点が見つかるのでは?っということで、本当にそれ調べたのがこの本、「10億ドルを自力で稼いだ人は何を考え、どう行動し、誰と仕事をしているのか」です。
2012年のフォーブス長者番付から資産10億ドル(約1000億円)以上保有者から、相続や結婚等で本人の実力と無関係な理由で成功した人を除外し、さらに不正な方法、不透明な分野で稼いだ人を除外。そしてその中から地域や業種に偏りがない用にランダムに抽出した120人のビリオネアが調査対象になっています。
早速購入しましたので、ちょっと感想をまとめておきます。
やっぱり、ビリオネアに近づくには、ビリオネアたちから学ぶのが一番ですからね。
全文ななめ読み
ビリオネアは若くして成功した人ばかりではない。むしろ逆。
40歳を過ぎてからレッドブル社を起業したディートリッヒ・マテシッツのように、試行錯誤を経て成功している人が大半なのである。
調査対象のうち7割以上が、30代以降に成功のきっかけをつかんだと回答
なぜか、一般的な金銭感覚から考えて想像もつかないほど儲けている人たちは、きっと悪いことしてんじゃない?とか、モラル低そう…というような固定観念がありますが、実際の調査データをみると、そんなことはないようです。
たとえば、若くして成功したとか、ビリオネアにはIT職が多いとか、ブルーオーシャンで成功したとか、一発屋だとか、才能があったとか、そういったイメージもすべて誤解。
もちろん、IT職のビリオネアは一定数いますが、過半数を占めているわけではありません。実際は20%にも満たない割合で、金融や消費財に関する分野のビリオネアの割合と変わりません。
また、ブルーオーシャン(未開拓分野)で成功しているってわけでもありません。調査結果では、8割のビリオネアが競争の激しいレッドオーシャンで成功しています。
つまり、いわゆる“いい人”で、まっとうなビジネスをしていても成功できると。そういうことです。
なにかトリッキーなことをしなければならないとか、絶対プログラミング学ばなきゃ成功できない!ってわけじゃぁないんです。それはただ視野が狭いだけ。事実とは違います。
ビリオネアになるには、内面(マインド)が大切
多くのビリオネアに顕著なのは、普通の人がばらばらに捉える物事を、一つにまとめる能力だ。矛盾する考え方や行動を排除せず、自分のなかで上手く共存させる。
正反対のものを抱えながら、そこでも思考が混乱しない。
矛盾する物事、正反対の考え方を排除しないということは、その先にある可能性を保持しておくということ。でも、いつまでも複数の可能性を持っておくことは、一見無駄に思えます。
常にやるべきことを最小化しておくからこそ、即断即決が出来る。そして、即断即決するからこそ、先行者利益をえることができる。だからこそビリオネアになれたのでは?と考えていたのですが、実際はそうではないようです。
もし、ビリオネアたちが「現実は不確定で予想することができない」と強く意識しているのだとすると、この複数の可能性を保持しておく特性は理解できます。選択肢を減らすほど現状に最適な方法を選べないということになるので。
沢山選択肢を持っておくと、変化に応じて最善の方法を選べる。まさに適者生存。「環境に適応したものが生き残る」の実践者。
ビリオネアたちは、可能性を切り捨てた時の損失を一般人より大きく考えているのかもしれません。
では、私達もビリオネアになりたいからといって、彼らと同じように自分の主義主張に反するモノゴトを沢山頭にいれておくことができるでしょうか?それでは、結局何も決められなくなるような気がしますが…
ビリオネアも失敗する。それも沢山。
94%のビリオネアは爆発的なヒットをつかむまでに複数の事業を立ち上げている。
最初の試みがいきなり成功したわけではないのだ。すばらしいアイデアを見つけるためには、その領域に没頭し、数多くのアイデアを出し、たとえ失敗してもくじけずに挑戦しなくてはならない。
ビリオネアだけには限らないとは思いますが、成功している人は必ず失敗もしています。
一回の挑戦で、それが失敗すると失敗が目立ちます。しかし、100回挑戦して90回失敗し、10回そこそこの成績を納めれば、失敗はそれほど大きなこととは捉えられにくいですよね?9割失敗しているにも関わらず、です。
つまり、挑戦の数が多く、失敗の数も多い。ゆえに失敗が目立たない。ということです。
また、一回成功するとそれまでの失敗が全て肯定され、失敗とみなされなくなるということもあると思います。勝てば官軍、負ければ賊軍です。
大切なのは、失敗でへこたれず、挑戦し続けること。そして、その失敗は成功するための糧として次の挑戦に活かすことです。
結局、「失敗した!失敗した!」と騒ぐのは外野であって、挑戦した本人ではないですよね?なので、やっぱり成功するまで続けるという確固たる意思がビリオネアになるために大切なのだろうと思います。
ビリオネアは機敏に動きながらも虎視眈々と待つ
異なる時間軸を同時にあやつるのは、多くのビリオネアに共通する特徴である。
ビリオネアはすばやく行動するが、手当たりしだいに行動するわけではない。「これだ」というアイデアが出るまでは動かないし、時期尚早だと思えばじっと機会をうかがう。
この短期と長期の時間軸を同時にあやつるというのは、先ほどの矛盾する考え方を保持しておく特徴と似ているかもしれません。
ビリオネアは将来の予測ができる、先見の明があると自負しているわけでも実際にそうであるわけでもなく、常に将来に備えているからこそ、最適のタイミングで最善の決断を下せるようです。
ポイントとしては、狙ったチャンスが訪れるまでぼーっと待つわけではなく、目の前の仕事を処理しつつ、常に横目で機会をうかがっている。ここぞというタイミングが来た時に動けるようアクティブに待ち構えているということです。
「売る」からビリオネアになる
ビリオネアたちは、さまざまな形で「売る」経験を積んでいた。
そして彼らはその経験のどこかで、単に既存のものを売るだけでなく、売り方をデザインする方へシフトしていった。
既存の商品やサービスに疑問を持ち、その形やコンテクストを書き換え、これまでにない売り方を提示する。
当たり前ですが、忘れがちです。売るからお金が手に入るわけです。単純に良い商品を作ればいいだけではありません。
そして、売り方をデザインする方向へシフトしていくというのは面白い傾向です。おそらく、ビリオネアたちはモノそのものだけが「商品」と考えていないのだと思います。「モノを買う体験」すら商品だと考えているのでしょう。
その意識が根底にあるからこそ、商談相手と交渉する時のフレーズの選び方、ユニークな条件提示などができるのではないでしょうか。
おそらく、自分が生み出す全てのモノゴトが「商品」となりえるという意識があるのだろうと思います。
ビリオネアはチャンスを逃すリスクを恐れる
たいていの人は失敗するリスクを過大評価し、新たなチャンスをふいにするリスクのことはあまり考えていない。
だがビリオネアは逆だ。失敗するリスクよりも、チャンスを逃すリスクの方を恐れる。
言うは易し、行うは難しです。今続けていることを切り捨ててでも、将来利益が大きくなるような方向へ舵を切れる人は多くありません。大抵の人は現状維持を好みます。
ビリオネアがたとえ失敗するとしても、将来のチャンスのために挑戦できるのは、自分の可能性を心底信じきっていないとできないことでしょう。
ビリオネアになるには、自分を信じる力が必要だと言えそうです。
ビリオネアはリスクテイカーではない
ビリオネアは大きく賭ける。だがそれと同時に、確実な収入源や資金源をどこかに用意しておく。安全網があるから、危険な賭けをするときにもためらいがない。
実際、ビリオネアたちの多くは本業と平行して地味な仕事をしている。
決して大きな挑戦をするためのリスクヘッジとして、地味な仕事をしているわけではないということろがポイントです。
ビリオネアはシンプルな生活を好み、無用なリスクを取ることを嫌います。そして、チャンスが来た時に何度も挑戦できるように地味な仕事をしています。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、リスクヘッジのために嫌々地味な仕事をしているわけではなく、生き方として地味な仕事も平行してやっているということです。
つまり、成功するためにはここぞというチャンスに挑戦する必要があり、成功するためには何度も失敗する可能性があるということを理解しているということです。
成功するまで何度も挑戦を繰り返すためには、地味な仕事も大切だということを知っているというわけです。
リスクヘッジのための仕事に見えるかもしれませんが、もっと大きな視点から考えての生き方、ライフスタイルです。
ビリオネアは一人じゃない
ビリオネアには孤高の天才のイメージがつきまとう。(略)
孤高の天才のように見えるビリオネアの陰には、かならず実務に長けた相棒が存在している。
成功者は一般人とは違って、天才。だから一人で何でもできてしまう。そういうイメージがありますが、実際は違います。スティーブ・ジョブズですらそうです。ウォズニアックがいたからこそ、無理難題を現実化できたわけです。
調査対象のビリオネアの大半が対象的なタイプの人間と長期的なパートナーシップを結んでいたようです。
つまり、これも先述のビリオネアの特性と重なりますが、自分と違う考えを保持しておけるということです。この特性によって、自分に無いところ、足りない部分を補完しているようです。
そして、自分は自分の得意なところに集中し、苦手な部分は得意な人に一任する。お互いの長所を引き出し合って、一人の時の何倍もの能力を発揮するわけです。
まとめ
- ビリオネアは若くして成功した人ばかりではない。むしろ逆
- ビリオネアになるには、マインドが大切
- ビリオネアもたくさん失敗する
- ビリオネアは手当たりしだい行動しない。ここぞというチャンスを待つ
- ビリオネアになるには「売る」こと
- ビリオネアは失敗するリスクより、将来のチャンスを逃すリスクを恐れる
- ビリオネアはリスクテイカーではない
- ビリオネアには相棒がいる
相棒をすぐ見つけるというのは難しいかもしれませんが、それ以外のビリオネアになるために重要な事は、すぐに取り入れて実践できることばかりではないでしょうか?
私は、必要最低限の収入を確保する。そして挑戦回数を増やす。この2点を最優先事項として実践していこうと思います。
出来ることからコツコツと。ってことですね。
「10億ドルを自力で稼いだ人は何を考え、どう行動し、誰と仕事をしているのか」には、この記事でピックアップした他にも、ビリオネアたちに共通する特性がたくさん載っています。ご興味のある方はぜひご一読を。
たとえ10億ドル(約1000億円)稼げなくても、1000万円…いや、100万円稼げるようになれば十分ではないでしょうか?
今よりもっと稼げるように、価値を生み出して他者に貢献できるように、本から学べることはドンドン学んでいこうと思います。